家族や知人名義の車の場合

家族や知人などが車の所有者になっている場合、下取りに出す方法は2つあります。

名義変更せずに下取りに出す

基本的には、他人名義の車を勝手に処分することはできません。処分したい場合は、まず名義変更をして、車を自分の所有物にする必要があります。

しかし、親や親族などの近しい人が所有者の場合は、名義変更をせずに下取りに出せるケースも少なくありません。

もちろん所有者本人の同意があることが前提ですが、「本人から預かってきました」という形で必要書類を提出すれば、ディーラーとしては特に問題ないからです。

その場合、以下の書類が必要になります。

所有者の印鑑登録証明書	発行から3ヶ月以内のもの
委任状	所有者の実印が押印されてあるもの
譲渡証明書

上記さえそろえられれば、家族名義のまま車を下取りに出すことが可能です。その後、新車は自分の名義で購入すればいいということになります。

ただし、ディーラーによっては所有者の同席、または「同意書」の提出を求められることもありますので、その場合は指示にしたがうようにしましょう。

名義変更をして下取りに出す

所有者と一緒にディーラーに行くのが難しい場合や、車の名義が家族以外の知人になっている場合などは、自分に名義変更をする必要があります。

その場合は以下の書類が必要です。

旧所有者の印鑑登録証明書	発行から3ヶ月以内のもの
新所有者の印鑑登録証明書
旧所有者と新所有者の委任状	所有者の実印が押印されてあるもの
譲渡証明書
車検証	コピー不可
新使用者の車庫証明書	発行から1ヶ月以内のもの （旧所有者と同じ場合は不要）

上記は、ディーラーに名義変更を代行してもらう場合の必要書類です。

自分で陸運支局へ行って手続きする場合は、自分（新所有者）の委任状は必要ありません（代わりに実印を持参します）。

また、同居している家族間で名義変更をするような場合は、車庫証明書も不要です。

車検証に記載されている氏名や住所が、印鑑登録証明書に記載されているものと異なる場合は、住民票や戸籍謄本などが必要になります。

これらの書類をそろえて名義変更をすれば、車は自分のものとなりますので、自由に下取りに出すことが可能です。

ディーラー名義の車の場合

車検証の所有者がディーラー（もしくはローン会社）になっている場合は、家族や知人名義の場合と違って「所有権留保解除」の手続きが必要になります。

所有権留保とは、ローン返済中の車の名義をディーラーやローン会社に設定しておくことです。

こうすることで万が一ローンの返済がとどこおった場合、所有者は車を引き揚げることができます。

この所有権留保を解除してもらうためには、ローンの完済が必要です。

すでにローンを完済している場合

今の時点でローンを完済している場合は、すぐにでも所有権留保を解除してもらえます。

まず所有者になっているディーラーやローン会社に連絡をして事情を伝えた上で、「車検証のコピー」「自動車税納税証明書のコピー」「印鑑登録証明書」などの必要書類を送付します。

ディーラーによって専用の「所有権留保解除依頼書」を用意していることもありますので、送付する書類については事前にしっかり確認しましょう。

書類を送ったら、ディーラーから「名義変更用の委任状」や「ディーラーの印鑑登録証明書」などが送られてきます。

それらを持って陸運支局（軽自動車の場合は軽自動車検査協会）へ行けば、車の所有権を自分に変えることができますから、その後は自由に下取りに出せます。

ローンがまだ残っている場合

問題なのは、ローンをまだ払い終えていないケースです。

特例として、災害や事故などで車が大破したような場合は、今後もローンを支払い続けることを約束した上で所有権留保を解除してもらえることもありますが、そうでない限りは何らかの方法でローンを完済する必要があります。

もし手持ちの資金で残債を完済できそうなら、それがもっともいい方法です。しかしそれが難しい場合は、次の車を購入するディーラーで「上乗せローン」を利用する、という手もあります。

上乗せローンとは、新車のローンと前の車のローンをまとめたものです。正確には、前のローンをディーラーが代わりに一括返済し、その分が次の車のローンに上乗せされます。

要は「ローンの一本化」です。

ただし、残債の額が大きすぎる場合は審査に通らないことがありますし、何よりその後の返済が大変になってしまう可能性があります。

上乗せローンを利用するかどうかは、収入と返済のバランスをよく考えた上で慎重に判断したいところです。

まとめ

ディーラー名義や親名義の車を下取りに出す方法についてご紹介しました。

近しい親族の車の場合は、名義変更なしで下取りに出せることもありますが、それ以外では基本的に名義変更が必要です。

特にディーラーに所有権がある場合、書類をやりとりして所有権留保を解除してもらう必要があります。

まだローンを完済していない場合はやや難しくなりますので、新車購入先のディーラーに相談しながらいい方法を考えてみてください。

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